いつでも、そばにいる安心を~24時間対応の訪問看護で支える在宅療養~
「できるだけ、住み慣れた家で過ごしたい」
そう願う方は、年齢や病気に関係なく少なくありません。
けれども、自宅での療養には少なからず不安がつきまといます。
- 体調が急に変わったらどうしよう?
- 夜中や休日に連絡できる人がいなかったら?
- この症状、救急車を呼ぶべき?それとも様子を見ていいの?
特に高齢の方や、心不全・呼吸器疾患・神経疾患などの慢性疾患を抱える方にとって、
「もしも」のときに、すぐに相談できる先があるかどうかは、在宅生活を続けていく上での大きな分かれ道となります。

夜だけではない、24時間の安心体制
アプスル訪問看護ステーションでは、2025年8月より看護師が24時間対応で待機する体制をスタートします。
これは、夜間の“看取り”だけに備えるものではありません。
むしろ、私たちが大切にしているのは、日中も夜間も問わず、「今、困っている」という声にいつでも応えられる仕組みであること。
- 朝に急な倦怠感を訴えたとき
- 夕方に点滴のトラブルが起きたとき
- 深夜に息苦しさを感じたとき
そんなとき、「電話していいのかな」と迷わなくていい環境が、ご本人にもご家族にも安心をもたらします。
訪問が必要かどうかは看護師が適切に判断し、医師と連携することも可能です。
また、相談だけで様子を見られるケースも多く、看護師の声かけひとつで夜が乗り越えられることもあるのです。します。
【事例紹介】私が経験した、在宅での”最期の時間”
ここで、私自身の経験を少しお話しさせてください。
私の義祖母は90歳を超え、長年田舎で義母と二人きりの暮らしを続けていました。
でも、介護する義母も高齢となり、これ以上の“老老介護”は限界でした。
私たち夫婦で話し合い、義祖母を自宅に迎えて看取ることを決めました。
とはいえ、私は理学療法士としての知識はあっても、家族として介護するのは初めて。
もちろん、日中は私たち夫婦は働いています。「急に苦しくなったらどうしよう」「救急車を呼ぶべき?」そんな事態になったらどうすればいいのか。同居を始めるにあたってそんな不安が胸をよぎりました。
そこで、大きな力となってくれたのが訪問看護の24時間対応体制です。
義祖母はCOPD(慢性閉塞性肺疾患)を患っており在宅酸素療法を受けていました。そこで、訪問診療と訪問看護をお願いし、急変に対応するため訪問看護の24時間緊急対応もお願いすることとなったのです。間もなく義祖母の体調は悪化し、老衰と重なり医師からは「余命わずか」との説明を受けました。
徐々に食事も摂れなくなり、意識も戻らなくなっていったとき、訪問看護師から「今後どのような症状が出て、どのように亡くなるのか」の丁寧な説明を受けました。遠方の親戚も訪れ、家族全員が心の準備を整える時間を過ごすことができました。この時間は、家族にとって本当に価値のある大切な時間であったと思います。
ある夜、義祖母の呼吸が変わり、やがて止まりました。
すぐに連絡すると、訪問看護師が駆けつけ、医師とも連携して死亡確認。
そのまま一緒にエンゼルケアを行い、家族で静かに見送ることができました。
病院ではなく、住み慣れた家で、大切な人を家族みんなで見送れたこと――
あの夜の温もりと静けさは、今でも忘れられません。
「在宅療養は不安」―――その気持ちに応えるしくみ
在宅療養には不安がつきものです。
でもその不安は、すべてが“医療の重たい問題”というわけではありません。
- どうしたらいいかわからない
- この状態で大丈夫か自信がない
- 家族として、どう関わればいいのか不安
こうした「判断に迷う日常の不安」にも寄り添えるのが、24時間体制の訪問看護です。
すべてを自分たちだけで背負う必要はありません。
「ちょっと相談したい」「聞いてほしい」という気持ちに応えられる存在が、いつでもそばにいる――
それが、在宅で安心して暮らすための“支え”になります。
緊急訪問では何ができるの?
看護師の判断により、以下のような対応が可能です。
- バイタルチェック(血圧、体温、SpO₂など)
- 点滴ルートの再確保・管理
- 酸素療法や吸引など、呼吸状態への対応
- 痛みや不安の緩和ケア
- 医師との連携による処方調整・受診判断
また、看護師が訪問せずとも、ご家族で対応できるようアドバイスすることもあります。
夜間の場合でも翌朝の訪問や、主治医への申し送りにつなげることで、より適切なケアが提供できる場合もあります。
緊急対応にならなくてもいいように、事前に”備える”看護の力
訪問看護では、夜間の緊急時に備えておくことも大切な役割です。
そのため、看護師は日頃の訪問の中で、「今後起こりうる症状」や「そのとき何をすればいいか」について、あらかじめご家族と十分に共有・説明するよう心がけています。
- 「こんな呼吸が出てきたら、最期が近いサインです」
- 「このタイミングで連絡していただければ、慌てず対応できます」
- 「夜中にこういうことが起きたら、まずこうしましょう」
このように事前の情報提供があることで、ご家族も「今は慌てなくていい」「このまま見守っていい」と判断でき、結果的に不必要な不安や救急要請を減らすことにもつながります。
夜ならではの”不安”に応えられる存在として
夜間の在宅療養では、日中とは異なる特有の不安があります。
たとえば、かかりつけ医がいても診療時間外には連絡が取れず、電話での相談すらできないことが多く、いざという時に頼る先が見つかりません。
また、「救急車を呼ぶべきか判断できない」「もし呼んでも入院にならなかった場合、帰宅手段がない」という現実的な不安もあります。
こうした不安に対して、私たち訪問看護の24時間対応体制は、最も近くで“判断を手伝える存在”です。
- 看護師による緊急度の判断
- 必要に応じた訪問対応
- 医師との連携
- 救急要請の要・不要の助言
- 翌朝の診療への橋渡し
ご家族が夜間の孤独な判断を抱え込まずに済む体制を整えることが、訪問看護にできる最も大切な役割のひとつです。
最後に―――「明日も、家で過ごせる」と思えるように
24時間対応という体制は、ただ“駆けつける”ことだけが目的ではありません。
ご本人もご家族も、「今この時間を、安心して過ごせる」ことこそが、私たちの願いです。
アプスル訪問看護ステーションでは、
2025年8月より、昼も夜もいつでも看護師が待機し、声に応える24時間体制を本格的に開始します。
不安なとき、迷ったとき、どうかひとりで抱え込まずに、私たちを思い出してください。
「また明日も、自宅で過ごせる」
その願いを、私たちはともに支えていきます。