訪問看護における感染症対策:ご自宅での安心のために
こんにちは!アプスル訪問看護ステーションでは、ご利用の皆さんがご自宅で安心してして過ごせるようお手伝いしています。最近は、新型コロナウイルスやインフルエンザなど、いろいろな感染症が流行っていて、心配の方も多いかと思います。訪問看護でも、感染症対策はとっても大切です。
そこで今日は、ご自宅でできる感染症対策について、分かりやすくお話しますね。

感染症とは?
感染症というのは、ウイルスや細菌などの病原体が体の中に入って、増えることで起こる病気のことです。人から人へ、または動物や環境から人へとうつることがあります。
感染経路について
感染症のうつり方は大きく3つに分けられす。
- 空気感染:病原体を含んだ非常に小さな粒子(飛沫核)が空気中を長時間漂い、それを吸い込むことによって感染します。飛沫核は、咳やくしゃみなどの飛沫から水分が蒸発し、より小さく(5μm以下)なったものです。小さく、乾燥して軽いため、感染者から離れた場所にいても、空気中を漂い飛沫核を吸い込むことで感染する可能性があります。空気感染する主な感染症には、麻疹(はしか)、結核、水痘(みずぼうそう)などがあります。
- 飛沫感染:感染者の咳やくしゃみ、会話などによって飛び散る、比較的大きな飛沫(5μm以上)を吸い込むことによって感染します。飛沫は、通常1~2メートル程度の距離までしか飛ばないため、感染者からある程度の距離を保つことで感染リスクを減らすことができます。飛沫感染する感染症には、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、風邪、百日咳などがあります。
- 接触感染:感染した人が触れたものや咳やくしゃみで飛散した飛沫が付着した病原体が、手などを介して口や鼻、目から体の中に入ることでうつります。接触感染する感染症には、ノロウイルスやインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などがあります。
インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症の対策
インフルエンザやコロナウイルス感染症は、どちらも飛沫感染と接触感染でうつります。これらの感染症を防ぐには、次のことが大切です。
- 手洗い・消毒:外から帰ったら、食事の前など、こまめに手洗いや消毒をしましょう。
- マスク:人が多い場所や換気の悪い場所では、マスクをつけましょう。
- 換気:お部屋の空気を定期的に入れ替えましょう。
- 咳エチケット:咳やくしゃみをするときは、ティッシュやハンカチなどで口と鼻をおおいましょう。
- 体調管理:しっかり睡眠をとったり、バランスのよい食事をしたりして、体の抵抗力を高めましょう。
ノロウイルス感染症の対策
主に冬になると流行するノロウイルス感染症は、とても感染力の強いウイルスです。
主な感染経路
- 経口感染:過熱が不十分な食品(貝類など)を食べたり、感染した人の吐しゃ物や排泄物で汚れた食品や水を飲んだりして感染する。
- 接触感染:感染した人の吐しゃ物や排泄物に直接触れるたり、感染した人が触れたドアノブや手すりなどに触れ、その手を介して感染する。
- 飛沫感染(間接的な可能性):感染した人の嘔吐時に、ウイルスが空気中に漂って、それを吸い込むことで感染する。
感染対策は?
ノロウイルスの予防接種などは今のところありません。そのため、予防がとても大切になります。
- しっかり手洗い:料理の前、食事の前、トイレの後、外から帰ったら、石鹸と流水でしっかりと洗いましょう。
- 食品はしっかり加熱:特にカキなどの貝類は、中心までしっかり加熱してください(85~90℃で90秒以上)。
- しっかり消毒:感染した人の吐しゃ物や排泄物は、薄めた漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)でしっかり消毒しましょう。処理するときは、手袋とマスクを忘れずに。ドアノブや手すり、トイレもこまめに消毒すると安心です。
ノロウイルスは、普通の風邪やインフルエンザとちょっと違うところがあります。
- アルコールが効果的でない:そのため、手洗いが大切になります。石鹼と流水でしっかり手洗いをしてください。
- 感染力が強い:非常に少ないウイルスでも感染します。二次感染のリスクが高いので、吐しゃ物や排泄物の適切な処理が非常に重要です。
- 潜伏期間が短い:感染してから発症するまでの潜伏期間が非常に短い(通常24~48時間)ため、集団感染が起こりやすい特徴があります。
- 症状が続きます:症状(特の嘔吐や下痢)が比較的激しく、脱水症状を引き起こしやすいことがあります。特に高齢者や乳幼児は注意が必要です。我慢しないで受診しましょう。
- 何度でもかかります:ノロウイルスには複数の型があり、一度感染しても異なる型のウイルスに感染する可能性があるため、油断しないでください。
正しい手の洗い方
感染症対策の基本は、丁寧な手洗いです。次の手順で手を洗いましょう。
- 流水で手を濡らし、石鹸をつけます。石鹸はしっかりと泡立てましょう。
- 手のひら、手の甲、指の間、爪の間、手首を丁寧に洗います。少なくとも30秒程度かけてください。
特に指と指の間は洗い残しが多い場所です。指を一本一本丁寧に洗いましょう。 - 流水で十分に洗い流します。石鹸の成分が手に残らないよう、しっかり洗い流しましょう。
- きれいなタオルやペーパータオルで水気を拭き取ります。
- アルコール消毒液を使います。


洗い残しがちなところ:菌の隠れ家に注意!
意識して洗わないと、菌が残りやすい場所があります。特に以下の部分に注意して洗いましょう・
- 指の間:指と指の間は、どうしても洗い残しやすくなります。片方の手の指をもう片方の手のひらに挟んで、しっかりと洗いましょう。
- 親指の付け根:親指は手のひらと離れているため、洗い残しがちです。反対の手で包みこむようにして洗いましょう。
- 指先・爪の間:細かい部分なので、意識して丁寧に洗いましょう。
- 手のひらのしわの間:しわになっている部分にも汚れがたまりやすいので、伸ばしながら洗いましょう。
- 手首:服の袖口などで隠れてしまい、洗い忘れやすい場所です。
できればペーパータオルを使いましょう!
手を洗った後に拭くものも、感染症対策としてとても重要です。タオルの共有は、菌を広げてしまう可能性があります。そのため、ペータータオルを使うことが推奨されます。
- 菌の再付着を防ぐ:共有のタオルは、他の人が触れた菌が付着している可能性があります。ペーパータオルは一度使ったら捨てるため、清潔な状態で手を拭くことができます。
- 菌の増殖を防ぐ:湿ったタオルは、菌が繁殖しやすい環境になります。ペーパータオルは常に新しいものを使うため、菌の増殖を防ぐことができます。
- 繊維による菌の付着を防ぐ:タオルの繊維には、菌が付着しやすいという研究結果もあります。ペーパータオルは繊維が残りにくく、より衛生的に手を拭くことができます。
もしペーパータオルがない場合は、個人用の清潔なタオルを使用し、こまめに洗濯して乾燥させることが大切です。
咳エチケットとは
咳やくしゃみをするときは、次のことに気を付けましょう。
- マスクを着ける。
- ティッシュやハンカチ、袖などで口と鼻をおおう。手のひらでおおうのはNGです。
- 使ったティッシュは、すぐにゴミ箱に捨てる。
- 咳やくしゃみをした後は、手を洗いましょう。
最近話題の百日咳について
最近、百日咳にかかる人が増えています。百日咳は、百日咳菌によって起こる呼吸器の感染症で、激しい咳が長く続くのが特徴です。特に赤ちゃんは重症化しやすいので、注意が必要です。
百日咳は、飛沫感染でうつります。咳エチケットや手洗い、予防接種などが効果的です。
アプスル訪問看護ステーションの取り組み
私たちは、皆さんに安心してサービスをご利用いただけるよう、次に感染症対策に取り組んでいます。
- 訪問時の手指消毒、マスク着用、体温測定
- 訪問前後の手洗い
- 訪問時の換気
- 感染症に関する新しい情報の収集とスタッフへの共有
- 感染対策に関する定期的な研修
ご自宅での療養生活で、感染症について心配なことや分からないことがあれば、いつでも私たち訪問看護ステーションにご相談ください。
アプスル訪問看護ステーションは、皆さんが安心してご自宅で過ごせるよう、全力でサポートします。