秋からの運動再開に気をつけたいポイント―理学療法士からのアドバイス―

 暑い夏が終わり、ようやく秋の風が心地よい季節になりましたね。「そろそろ散歩を再開しようかな」と思っている方も多いのではないでしょうか。

 ただ、夏の間に体力や筋力が落ちていることもあります。焦らず、体の声を聞きながら、無理のないペースで始めていくことが大切です。

🍂秋からの運動再開に気をつけたいポイント

① ゆっくりスタート

久しぶりの運動は「少し物足りないかな?」くらいがちょうど良いです。

始めは10~15分ほどの散歩から始めて、1週間ごとに5分ずつ延ばしていきましょう。回数も週に2~3回くらいで無理しないようにしてくださいね。

大切なのは「続けること」。頑張りすぎず、心地よく感じる範囲で十分です。

② 強度は「会話できるくらい」が目安

歩きながらおしゃべりできるくらいのペースが安心です。

息が上がったり、ふらつきを感じたりしたら、遠慮せずに立ち止まって休みましょう。

体調の変化に気づいたら、その日のうちにペースを少し落とすのも大切です。

③ 水分補給を忘れずに

涼しくなっても、体の中ではしっかり水分が失われています。特に空気が乾燥するこの時期には、呼吸で体から出ていく水分も増えてしまいます。

運動の前後にコップ1杯の水を飲む習慣をつけましょう。

冷たいものより、常温や温かい飲み物の方が体に優しいですよ。

④ 屋外環境に注意

朝夕は路面が塗れて滑りやすいこともあります。

できるだけ明るい時間帯に歩き、杖を使う方はゴムのすり減りもチェックしておくと安心です。

足元を守ることも、安全な運動の第1歩です。歩き始める前に、歩く足首を回したり、アキレス腱を伸ばすだけでも、怪我の予防に効果的ですよ。

理学療法士からひとこと

 運動は「一度にたくさんやること」よりも、「少しずつ続けること」が何より大切です。体が慣れてきたら、無理のない範囲で距離や回数を増やしていきましょう。

 もし体の痛みや疲れが長く続くときは、無理せずにご相談ください。訪問看護や理学療法士が、一緒に体の状態を見ながら、安心して続けられる方法を考えていきます。