フレイルとは~サルコペニアとの違い、予防法について
フレイル(虚弱)とは、「加齢により心身が老い衰えた状態」です。これは、健康な状態と要介護状態の中間を意味しており、適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態でもあります。サルコペニアは筋力や身体機能が低下した状態で、フレイルはこれに加えて精神機能や社会性の低下を含むより広く生活に支障をきたしている状態です。サルコペニアはフレイルの原因となるため、フレイルの予防には、サルコペニア同様に適切な栄養管理と運動が重要となります。
フレイルとは
フレイルは、加齢のために身体機能を支える恒常性(ホメオスタシス)維持機構が低下したことで、ストレスに抗う力が低下し健康障害に対する脆弱性が高まった状態です。フレイルにはこのような身体的フレイルのほかに、精神的・心理的フレイル、認知的フレイル、社会的フレイル、オーラルフレイルなどがあります。
精神的・心理的フレイル | 認知機能や判断力の低下、意欲の低下、抑うつなどの精神症状 |
認知的フレイル | 身体機能と認知機能の低下が併存する状態 |
社会的フレイル | 加齢に伴って社会とのつながりが希薄化することで生じる状態 |
オーラルフレイル | 歯や口の機能が衰える状態 |
フレイルの原因
身体的フレイルの主な原因は、サルコペニア、低栄養、ポリファーマシーです。ポリファーマシーとは、複数の薬を服用していることで、薬物有害事象や副作用などの問題が生じる状態を指します。
フレイルの診断基準
フレイルの診断基準にはさまざまなものがありますが、下記のものが採用されていることが多いです。プレフレイルとは、フレイルの前段階の状態を指します。
フレイルサイクルとは
このフレイルサイクルを断ち切る、フレイルサイクルのスピードを遅くすることがフレイルの予防につながります。
さて、ここまで3回にわたってサルコペニア、フレイルについてお話してきました。次回からはいよいよこれらを予防する運動について説明していきます。